優心の徒然

優心の日記

永続的な為替相場のズレを回避しなければ、自由で公正な貿易は広がらない。

優心です、G20会議が開幕した20日。
ワシントンの財務省に近いビルに共和党関係者や経済学者ら100人弱が集った。
狙いはドル高是正で主要国が結束した1985 年のプラザ合意の再現だ。
プラザ合意の立役者であるボルカー米連邦準備理事会元議長とベーカー元財務長官がそろってビデオ講演。
ドルとユーロを固定相場にする過激論を掲げるノーベル経済学者、ロバート・マンデル氏も加わり、金本位制の復活まで議題に上がった。
主役の一人だったのは政権移行チームでトランプ氏に通貨・金融政策を入れ知恵したエコノミストのジュディ・シェルトン氏だ。
同氏はトランプ政権には相場安定を目指して主要国間で新しい通貨協定を結ぶアイデアがあると明かす。
本格的な為替調整に向けた第2プラザ合意ともいえる舞台構想。
それを荒唐無稽と一蹴できないのがワシントンの空気だ。
通貨協定構想で手を組む第一のターゲットは中国だ。
ドル高是正 は人民元安に悩む中国にも一段の資本流出を阻止する手段になる。
北朝鮮問題で協力関係を探る米中だが、トランプ政権は通貨政策でも中国とは利害を一致させられるとみる。
20日にワシントン入りした周小川・中国人民銀総裁は、ホワイトハウスで頭角を現すコーン国家経済会議委員長と人知れず会談した。
7月にG20はトランプ氏や習近平・中国国家主席を交えて首脳会議を開くが、米中がドル高是正で合意するような事態になれば日本は打つ手を失い、追い込まれる。
財務省が先に公表した為替報告書には通貨マフィアが気をもむ文言が紛れ込んだ。
永続的な為替相場のズレを回避しなければ、自由で公正な貿易は広がらない。
為替のズレはロス商務長官ら米政権有力者が一斉に使い始めたも の。